8. 船戸 ( ふなど ) 船着場 ( ふなつきば ) 1778 頃)

 現在の集落西を流れる 古川 ( ふるかわ ) はかつて最上川の本流だったところで、 舟運 ( しゅううん ) の盛んな江戸時代、ここが船着場であった。天童のまわりでとれた米や 紅花 ・ 真 綿 ( まわた ) などはここから 酒田 湊 ( みなと ) へ送られた。市内 原町 ( はらまち ) に残る文書に「原町でとれた米を蔵増村 河岸 ( かし ) より酒田に積み出す」と書かれている。付近には 旅籠屋 ( はたごや ) や 茶屋 ( ちゃや ) などもあり、野口家や後藤家は 船商人 ( ふなしょうにん ) として活躍した。

(渡邉政氏「蔵増の歴史」,川崎利夫氏「天童の歴史散歩」より